大人の論理・小学生の論理
Kさん:「ワカンナーイ」
先生:どの問題が分からないの?
Kさん:「エート、コレコレ、コノモンダイ」
先生:どんな問題なの?先生に教えてくれる?
Kさん:「マダヨンデナイカラ、ワカンナイ」
先生:じゃあ、先生と一緒に問題を読んでみようか。
Kさん:「イイ、ジブンデヨム」
Kさん:「あ、分かった」
先生:そう、良かったね。
小学5年生のKさんはとても利発な女の子です。感性鋭く、問題をどんどん
解いていくタイプなのですが、自分の感覚でちょっと捉えづらい問題に
あたると、3秒後くらいに「ワカンナーイ」と言います。
このことに対して、みなさんはどう思うでしょうか?
大部分の人は、「もっとしっかり考えなさい」「問題を読んでないのに
分かるわけないでしょ。」といった意見ではないでしょうか?
わたしもほぼ、そういう意見です。
では何故、私の目から見ても利発なKさんが、このような行動をしてしまう
のでしょうか。小学生側の心理を踏まえ、考えてみることにします。
①何か分かりづらいと感じる問題があったら、「ワカンナーイ」と言う。
②すると誰かが来てくれて、いろいろ教えてくれる。
③理解できる・できないは別として、その場は処理できる。
脳をフル稼働させて考えることはとても疲れることです。
ですから、自分の感性と合わない問題がこのように処理できれば、
それでOK!何も問題なし!ということではないでしょうか?
「ワカンナーイ」というKさんは、何の悪気も無く、当たり前のことと
して行っているのではないでしょうか?
その様に考えれば、頭ごなしに否定する言葉をKさんに言っても、反発が
来るだけで、逆効果になってしまうでしょう。
しかしながら、このままでよいわけでもありません。
先生:「Kちゃん、先生は今何も教えてないよ」
先生:「ひとりでできたじゃん。すごいね。」
Kさん:(照れ笑いを浮かべる)
先生:「でも、問題を読んでいないのに、ワカンナーイと言うのは
おかしいよ。」
Kさん:(恥ずかしそうにコクリと頷く)
これ以降Kさんは、よく考えもせず「ワカンナーイ」と言う事が殆ど無く
なりました。
相手の立場や状況を考え、どのように声をかけていくか・・・
難しいことですが、わたしが常に心がけていることです。