ノートまとめの効果
小学4年のT君は「ノートまとめ」が好きです。
理由を問うと、照れながら「ほめられるから」と答えて
くれました。
ほめられたら嬉しいのは当たり前。しかし日常生活の中では、
学年が 上がるにつれ、ほめられることがどんどん減っていく
のが当たり前になっていきます。
自分が思っていることを言葉にするのが苦手で、とんちんかんな
発言を 突拍子も無いタイミングでしてしまうことがよくあった
T君。
上手にコミュニケーションがとれないことから、お友達や親子間
などで 衝突が起きてしまうことがたびたびあったようです。
そのT君のお母様から先日喜びのお電話をいただきました。
「最近、学校のテストの成績がすごく良くなって。」
「先生からもノートまとめが上手だとほめられているみたい
なんです。」
「辞書を引いて調べるのなんか私より早いんですよ。」
受話器の向こうのお母様の笑顔が目に浮かぶようです。
入塾後間もないT君ですが、「学ぶ内容をノートにまとめること」
を 中心にした指導を継続しています。
物を書くと言うことは、脳に刺激を与えるのに効果的な行為で、
たとえ指示された内容を写すだけであったとしても、視覚や
イメージ力を使うこととなり、脳の活性化に効果があります。
また、丁寧に書くことを意識してもらうことで集中力・忍耐力を
向上させ、字も上手になります。
そのような習慣が身についてくると、自然に姿勢が良くなり、
心と体が落ち着いてくるのです。
T君は今その状態に近づいており、頭の中が整理されてきたので
しょう、発言も論理的になってきました。
不要なトラブルが起きないので、精神的にイライラすることが
減りました。
そして、「ノートまとめが上手だね」「字が上手になったよ」と
私からも、学校の先生からも、友達からも、お母さんからも
ほめられます。
元来子供は無限の可能性に満ちているわけで、心身ともに健やか
でいることが、結果的に成績を飛躍させたのですが、T君の場合、
要するに普通の状態に戻ったということではないでしょうか。
「ノートまとめ力」にはレベルがあり、T君はまだ初期段階なの
です。
今後、少しずつステップアップを重ねていくことで、T君が
さらに健やかに 学習をすることに対して不安無く、まっすぐ
進んでいけるような手助けを、私はしていきたいと思います。